前回は巻き肩のメカニズム。今回が巻き肩に影響を及ぼす筋肉についての解説です♪

千葉県松戸市古ヶ崎にある整骨院。

小竹整骨院です!

前回の続き、「巻き肩に関与する筋肉6選」です!

2. 【前面】硬くなって肩を前に引き込む「短縮筋肉」

巻き肩を語る上で、まず目を向けるべきは「胸や脇、お腹の側にある筋肉」です。これらは日常の悪姿勢によって常に収縮を強いられ、ガチガチに硬くなっています。この筋肉たちが、肩を強烈な力で前方へと牽引(ホールド)している「犯人グループ」です。

主な原因となる4つの筋肉を見ていきましょう。

① 小胸筋(しょうきょうきん):巻き肩の「主犯格」

大胸筋という大きな胸の筋肉の奥深くに隠れている、小さなインナーマッスルです。肋骨(第3〜5肋骨)から、肩甲骨の前側にある「烏口突起(うこうとっき)」という骨の突起に向かって走行しています。

  • 巻き肩への関与: 小胸筋が硬くなって縮むと、烏口突起を斜め下(前下方)に向かって強く引っ張ります。肩甲骨の前側が下へ引っ張られるということは、連動して肩甲骨全体が前に倒れ込み、外側に開くことになります。数ある筋肉の中でも、巻き肩を引き起こす最大の主犯格と言えます。

② 大胸筋(だいきょうきん):肩を内側に閉じる大黒柱

胸の表面を覆う、誰もが知る大きな筋肉です。鎖骨、胸骨、腹部から、上腕骨(腕の骨)の外側へと付着しています。

  • 巻き肩への関与: 大胸筋の主な働きは、腕を前に押し出したり、内側にひねったり(内旋)することです。デスクワークなどで腕を前に出した状態が続くと、大胸筋(特に鎖骨部や胸肋部)が過剰に緊張します。これにより上腕骨が内側にロックされ、肩全体が内側へすぼまるような「前肩」が形成されます。

③ 肩甲下筋(けんこうかきん):腕のねじれを固定するインナーマッスル

肩のインナーマッスル(回旋筋腱板=ローテーターカフ)の一つで、肩甲骨の裏側(肋骨と面している側)にべたりと張り付いています。

  • 巻き肩への関与: この筋肉は、腕を内側に回旋させる(内旋)強力な作用を持っています。肩甲下筋が凝り固まると、腕を外側に開く(外旋)ことができなくなり、リラックスしている時でも常に手の甲が前を向くような、腕のねじれ状態がキープされてしまいます。

④ 広背筋(こうはいきん):背中から肩を前に引っ張る罠

「背中の筋肉なのに、なぜ前面の短縮に関係あるの?」と思われるかもしれません。広背筋は背中から腰にかけて広がる大きな筋肉ですが、実はその停止部は「上腕骨の前側」に回り込んで付着しています。

  • 巻き肩への関与: 広背筋が硬くなると、骨盤や背骨を支点にして、腕の骨を後ろから前へと巻き込むように内側に引っ張ります。猫背の姿勢で骨盤が後傾(後ろに寝る)していると、広背筋が常に緊張し、結果的に肩を内側に巻き込む力を強めてしまいます。

3. 【背面】弱くなって肩を支えられない「伸張・弱化筋肉」

前面の筋肉が硬く縮んでいるとき、背中側では全く逆の現象が起きています。前面の牽引力に負け、「引き伸ばされたまま、サボって力が弱くなっている筋肉」が存在するのです。これらは本来、肩甲骨を正しい位置(後ろ・下)に引き留める「力尽きた味方」です。

代表的な筋肉を紹介します。

① 菱形筋(りょうけいきん):肩甲骨を寄せられない

背骨(胸椎)から肩甲骨の内側の縁(内側縁)に向かってついている、インナーマッスルです。左右の肩甲骨を背骨側に引き寄せる(内転)役割を持っています。

  • 巻き肩への関与: 前面の小胸筋や大胸筋に引っ張られ、肩甲骨が外側に開き続けると、菱形筋は常に左右に引き伸ばされた状態になります。ゴムが伸びきってパチンと戻る力を失った状態と同じです。この筋肉が弱化すると、自力で肩甲骨を後ろに引くことが困難になります。

② 僧帽筋下部(そうぼうきんかぶ):肩のすくみを止められない

首から背中にかけて広がる大きな表層筋「僧帽筋」のうち、最も下に位置する部分です。肩甲骨を下に引き下げたり、内側に寄せたりする働きがあります。

  • 巻き肩への関与: デスクワークで集中していると、どうしても肩がすくみ、上に上がりがちになります。これは僧帽筋の上部ばかりが過剰に働き、下部が完全にサボっている証拠です。僧帽筋下部が弱くなると、肩甲骨を下に安定させることができず、「いかり肩+巻き肩」という非常に凝りやすいポジションが定着します。

4. なぜ「胸を張る」だけの意識では治らないのか?

巻き肩が気になっている人の多くは、「気づいた時に背筋を伸ばし、胸を張る」という対策を取ります。しかし、結論から言うと、意識だけで巻き肩を根本的に治すことはほぼ不可能です。

なぜなら、前述の通り「小胸筋」や「大胸筋」がガチガチに硬化して物理的なロックがかかっているからです。 例えるなら、「強力なブレーキ(前面の硬さ)を踏みっぱなしにした状態で、一生懸命アクセル(背中の筋力)を踏んで前に進もうとしている」ようなものです。

これでは背中の筋肉がすぐに疲労してしまい、数分も経てばまた元の巻き肩に戻ってしまいます。それどころか、無理に腰を反らせて胸を張ろうとするため、今度は「反り腰」による腰痛を引き起こす二次災害に発展することすらあります。

そのため、改善には「①前面を緩める(ブレーキ解除)」⇒「②背面を締める(アクセルON)」という絶対的な順番が必要不可欠なのです。

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